消防署から非常用発電機の負荷試験(負荷運転)を指導されたら|やるべきことと流れ【消防予第477号対応】
2026/11/05
消防署から非常用発電機の負荷試験を指導されたら、まずこの3つです。
- 指導の内容と、手元の資料(点検結果報告書、発電機の製造年、前回の負荷運転の日付、部品交換の記録)を確認する
- 負荷運転(負荷試験)か内部観察等のどちらで点検するか決め、見積りをとる
- 点検を行い、その結果を消防署へ報告する。不具合があれば整備する
59.4%
全国の自家発電設備のうち、法令に基づく点検(負荷運転または内部観察等)が確認できた割合です(消防予第477号)。
はじめに
「立入検査で、非常用発電機の負荷運転をしていないと指摘された」
「点検結果報告書を出したら、消防署から負荷試験のことを言われた」
こうしたご相談が、これから増えるかもしれません。2026年11月4日、消防庁が全国の調査結果をまとめた通知(消防予第477号)を出し、消防本部に、点検がまだの建物への直接指導を求めたためです。
このページでは、消防署から指導を受けた施設の管理者・オーナー・管理会社の方に向けて、背景と、これからやることを順番にまとめました。
指導の背景:消防予第477号と自家発電設備への是正指導
消防庁は2026年7月、消防予第327号で「自家発電設備の点検で負荷運転がどれくらい行われているか」の調査を始めました。2018年に点検の方法が見直されてから一定の年数がたったため、その後の状況を確かめる目的です。
その結果が、11月4日の消防予第477号です。
調査結果の数字
- 59.4%:自家発電設備107,609基のうち、63,966基で、消防法令に基づく点検(負荷運転または内部観察等)が確認されました
- 99.7%:748の消防本部のうち746本部で、是正の指導が行われていました
裏を返すと、残りの約4割は、点検が行われていることを確認できなかった設備です。
あわせて、建物の関係者が点検の決まりを十分に知らず、点検に前向きでない実態があることも明らかになりました。
消防庁が消防本部に求めたこと
消防庁は、点検や報告がまだの建物の関係者に対して、各消防本部が直接指導するよう求めています。主な場面は次の2つです。
- 消防用設備等点検結果報告書を受け取るとき:不良があれば、早く直すよう指導する
- 立入検査のとき:自家発電設備の負荷運転などの状況を確認し、不備があれば早く直すよう指導する
通知には、各地の消防本部の取組例もついています。報告書の提出時や立入検査時の口頭・文書での指導、報告書の控えへのスタンプによる指摘、改修計画書や改善報告書の提出を求めてその後も確認する、といった例です。消防庁は、点検についてのリーフレットも作る予定としています。
「消防署 指導 非常用発電機」「立入検査 非常用発電機 指摘」と検索してこのページに来た方は、こうした流れの中で声がかかったのかもしれません。指導は、設備をいざというときに動く状態にするためのものです。順番に進めれば大丈夫です。
そもそも負荷運転は義務?
消防用設備の非常電源として置かれている自家発電設備は、消防法にもとづく点検と報告の対象です。消防庁の資料では、点検は次の2種類です。
- 機器点検:6か月に1回
- 総合点検:1年に1回
総合点検では、発電機の「運転性能」を確かめます。その方法として決められているのが、負荷運転か内部観察等です。「非常用発電機 負荷運転 義務」と調べる方が多いのは、この部分です。
点検の結果は記録に残し、消防署などへ報告します。消防庁の資料では、報告の間隔は、特定防火対象物(病院・ホテル・店舗など多くの人が出入りする建物)が1年に1回、それ以外が3年に1回です。
負荷運転と内部観察等の違い
負荷運転(負荷試験)
発電機に電気を使う「負荷」をかけて運転し、きちんと電気をつくれるかを確かめる方法です。車でいえば、アイドリングだけでなく、荷物を積んで坂道を走らせるイメージです。無負荷では出にくい温度の上がりすぎや漏れ、異音などが分かります。たまった燃え残りの燃料を燃やして取り除く効果もあります。
負荷のかけ方は2つあります。
- 模擬負荷試験:専用の負荷試験機を発電機につないで負荷をかけます。接続する場所によっては、建物を停電させずにできる場合があります
- 実負荷試験:建物の実際の設備(ポンプや照明など)を発電機で動かします。停電や設備停止の調整が必要になることが多い方法です
内部観察等
発電機を運転して確かめるのではなく、中を見たり、オイルを調べたりする方法です。消防庁のリーフレットでは、次の5つが挙げられています。
- 過給器やタービン翼、排気管などの内部観察
- 燃料噴射弁などの動作確認
- シリンダ(エンジンの筒の部分)の内側の観察
- 潤滑油の成分分析
- 冷却水の成分分析
消防庁の資料では、内部観察等は、負荷運転で見つけている不具合を同じ水準以上で確認できるとされています。
当社の対応
当社は、模擬負荷試験を中心に、実負荷試験も行っています。どちらが合うかは、設備の状態や設置場所、施設の運用を見てご提案します。くわしくは「非常用発電機の負荷試験(模擬負荷試験)」のページをご覧ください。
点検の周期と、予防的保全策による延長
2018年6月の見直し(平成30年消防庁告示第12号)で、負荷運転の周期が変わりました。
- これまで:1年に1回の総合点検で負荷運転
- 見直し後:「予防的な保全策」をしていれば、負荷運転または内部観察等は6年に1回でよい
予防的な保全策とは、故障する前に部品を確かめたり替えたりしておくことです。消防庁の資料では、次のような内容です。
- 1年ごとに確認:予熱栓、点火栓、冷却水ヒータ、潤滑油プライミングポンプ(ついている場合)
- メーカーの推奨期間内に交換:潤滑油、冷却水、燃料フィルター、潤滑油フィルター、ファン用のVベルト、ゴムホース、シール材、始動用の蓄電池
6年の数え方は、製造年か、前回の負荷運転(または内部観察等)からです。ただし、保全策をしていたことが記録で確かめられることが前提です。記録がない場合は、毎年の総合点検で負荷運転か内部観察等が必要になると考えてください。
なお、原動機がガスタービンの発電機は、負荷運転が不要とされています。
「うちはいつが期限?」と迷ったら、製造年、前回の負荷試験の日付、交換の記録をご用意ください。一緒に確認します。
指導を受けたあとの流れ
1. 現状確認
まず、消防署から何を言われたかを整理します。口頭か書面か、改修計画書などの提出を求められているかも確認します。
あわせて、次の資料をそろえます。
- 点検結果報告書(控え)
- 発電機の銘板の情報(メーカー、型式、製造年、容量)
- 前回の負荷運転の記録
- 部品交換・整備の記録
資料が見当たらなくても大丈夫です。現地で発電機を見て確認できることもあります。
2. 見積り
現地調査は無料です。発電機の仕様、設置場所、負荷試験機の搬入経路、接続する場所、停電が必要かどうかを確かめて、試験の方法と日程をご提案します。
当社は川崎市宮前区を拠点に、川崎・横浜など神奈川、東京を中心とした関東で作業しています。見積りは全国から受け付けています。
3. 実施
当日は、燃料・オイル・冷却水・蓄電池などを確かめてから、負荷を段階的にかけて運転します。電圧や周波数、水温、油圧、漏れや異音などを記録します。
不具合が見つかったら、原因を調べて整備します。消耗品の交換で直らない場合は、不具合のある箇所の改修まで行います。始動用の蓄電池の交換や、設備の更新についても、あわせてご相談ください。
4. 点検結果の報告
試験の結果は報告書にまとめてお渡しします。建物の関係者の方は、その内容を点検結果報告書として消防署などへ提出します。改修計画書などを求められている場合は、整備の内容や予定を整理するところもお手伝いします。
負荷試験から整備、蓄電池、更新まで、通して相談できます。
よくある質問
Q. 負荷試験の費用はどう決まりますか?
A. 発電機の容量(kVA)と電圧(低圧か高圧か)、設置場所(屋上・地下など)と搬入経路、接続方法、停電の調整が必要か、作業する時間帯、現場までの距離などで変わります。現地調査は無料ですので、まずは設備を見たうえでお見積りします。
Q. 負荷試験のときに停電しますか?
A. 方法と設備によります。模擬負荷試験は、接続する場所によっては建物を停電させずに行える場合があります。実負荷試験は、停電や設備停止の調整が必要になることが多いです。どちらになるかは、事前の調査でお伝えします。
Q. 負荷試験にはどれくらい時間がかかりますか?
A. 発電機の容量や台数、接続方法、搬入経路によって変わります。事前の調査で作業の流れと時間の目安をお伝えし、施設の予定に合わせて日程を決めます。
Q. 消防署の指導をそのままにすると、どうなりますか?
A. 消防庁は今回の通知で、点検や報告がまだの建物に、消防本部が直接指導するよう求めています。報告書の提出時や立入検査のたびに確認され、改修計画書の提出などを求められることもあります。何より、点検をしないままだと、停電のときに発電機がきちんと動くかが分かりません。早めに相談しておくと、日程も組みやすくなります。
Q. 内部観察等もお願いできますか?
A. 当社は模擬負荷試験と実負荷試験で対応しています。どの方法が設備に合うか迷うときも、まずはご相談ください。
Q. 6年に1回でよいかどうか、判断してもらえますか?
A. 製造年、前回の負荷運転の日付、部品交換の記録をもとに、一緒に確認します。最終的な扱いは、所轄の消防署の判断に従ってください。
ご相談はこちら
消防署から指導や指摘を受けた方、負荷運転をいつ行えばよいか分からない方は、お気軽にご相談ください。現地調査は無料です。
お電話:044-789-5847(平日9:00〜18:00)
株式会社テックメンテサービス
〒216-0033 神奈川県川崎市宮前区宮崎3-13-18 AZTO宮崎台M-BASE02 1階
出典
- 総務省消防庁「非常電源(自家発電設備)の点検における負荷運転の状況等に係る調査結果について(通知)」消防予第477号(令和8年11月4日)※別添に消防予第327号(令和8年7月13日)
https://www.fdma.go.jp/laws/tutatsu/items/261104_yobou477.pdf - 総務省消防庁「消防用設備等の点検の基準及び消防用設備等点検結果報告書に添付する点検票の様式の一部を改正する件の公布について」消防予第372号(平成30年6月1日)
https://www.fdma.go.jp/laws/tutatsu/assets/300601_yo372.pdf - 総務省消防庁リーフレット「自家発電設備の点検方法が改正されました。」
https://www.fdma.go.jp/mission/prevention/suisin/items/h30_leaflet01.pdf - 総務省消防庁「運転性能の維持に係る予防的な保全策」
https://www.fdma.go.jp/mission/prevention/suisin/items/h30_betten02.pdf - 総務省消防庁「消防用設備等点検報告制度について」
https://www.fdma.go.jp/mission/prevention/item/prevention001_03_h30_betten03.pdf
※法令の細かな扱いは、所轄の消防署や消防庁の資料でご確認ください。
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神奈川で法令準拠の負荷試験実施
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