ガス式非常用発電機|燃料供給と点検で確認すること
2026/05/18
ガスを燃料にする非常用発電機では、発電機本体に加えて、災害時にも必要なガスを供給できるかを確認します。都市ガスとLPガスでは供給方法が異なり、容器・貯槽・配管・調整器などの条件も運転に関わります。
また、「ガス燃料の発電機」と「ガスタービン発電機」は同じ意味ではありません。燃料の種類と原動機の方式を分けて、仕様書を確認することが大切です。
目次
燃料の種類と原動機の方式を分けて確認する
ガスエンジンとガスタービン
ガスエンジンは、燃焼によるピストンの往復運動を回転力に変えて発電機を回します。ガスタービンは、圧縮した空気と燃料の燃焼によって得た高温のガスでタービンを回します。
ガスタービンという名称は原動機の方式を表します。非常用設備には軽油・灯油などの液体燃料を使用する機種もあり、名称だけで都市ガスやLPガスを使うと判断することはできません。
都市ガスとLPガスの供給方法
都市ガスでは、発電機が要求するガス種・圧力・流量と、停電・地震時の供給条件をガス事業者に確認します。導管から供給されることだけで、災害時の運転が保証されるわけではありません。
LPガスでは、容器または貯槽に備蓄する量に加え、必要な量を継続して供給できる設備であることを確認します。外気温や気化能力、配管・調整器の仕様、補給方法も関わります。
燃料の切替には対応した仕様が必要
都市ガス用の発電機にLPガス容器を追加すれば、そのまま代替できるわけではありません。複数燃料や混焼に対応する設備もありますが、使用できる燃料と切替条件はメーカーの仕様に従います。
ディーゼル式と比較するときの確認事項
比較する条件をそろえる
燃料の種類だけで、始動率、騒音、燃費、整備のしやすさを決めることはできません。発電容量、負荷率、周波数、防音仕様、測定距離などをそろえて製品の仕様を比較します。
- 運転時間:使用負荷と燃料消費量、供給・備蓄量、連続運転の仕様を確認します。
- 始動性能:始動装置、蓄電池、制御系統、燃料供給を含めて確認します。
- 騒音:測定位置と運転条件、周囲の反射や遮蔽物も確認します。
- 排出ガス:原動機と燃焼方式、出力・負荷条件、適用される規制を確認します。
- 保守:定期点検と部品交換の項目、作業スペース、部品の供給体制を確認します。
燃料の保存性と設備の保守は別に考える
LPガスの保存性に利点があっても、容器・供給機器や発電機の点検が不要になるわけではありません。ガス漏れの有無、供給設備の状態、蓄電池や潤滑・冷却系統など、機種に応じた点検と整備が必要です。
カセットボンベ式などの携帯発電機は、固定式の防災用電源と用途・性能が異なります。屋内や換気の悪い場所では使用せず、取扱説明書に従って屋外で使用します。建物の配線へ自己判断で接続しないでください。
設置条件と点検・整備の体制
給電先と法令上の位置付け
消防用設備等の非常電源として使う場合は、その設備で認められる電源方式と性能を確認します。建物の床面積だけでガス発電機の設置義務を判断したり、必要な運転時間・燃料量を一律に決めたりすることはできません。
電気事業法上の手続きは、出力だけでなく電気工作物の区分、接続状況などを踏まえて確認します。LPガスの供給・貯蔵設備についても、設備の構成に応じた法令と管理方法を関係事業者に確認します。
設置後に確認しておきたいこと
- 停電時に給電する設備と電源切替の流れ
- 燃料供給停止時の対応と連絡先
- 点検・試運転時の操作手順と施設への影響
- 給排気経路と周囲の安全、浸水・地震への対策
- 点検報告書、部品交換と修理の履歴
当社では、型式と既存の保守体制を確認したうえで、負荷試験・点検・診断や整備・修理の対応範囲をご相談します。ガス供給設備やメーカー固有の整備が関わる場合は、関係事業者と調整して進めます。
届出については非常用発電機の届出で確認する事項もご覧ください。
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