非常用発電機の仕組み|構成機器と点検で確認する箇所
2026/06/06
非常用発電機は、停電時にあらかじめ決めた設備へ電力を供給します。エンジンだけでなく、始動用の蓄電池、燃料系統、冷却・排気設備、制御盤などがそろって機能することで運転できます。
ここでは、ディーゼル発電機を例に、発電の仕組みと点検で確認する箇所を紹介します。設置条件や点検方法は用途と機種によって異なるため、設備の仕様書・取扱説明書と点検報告書を確認することが出発点になります。
目次
ディーゼル発電機の構造と給電の流れ
エンジンが発電機を回す
ディーゼルエンジンは燃料の燃焼によって回転力を生み、その力で発電機を駆動します。発電した電力は、遮断器や配電設備を通じて給電先へ送られます。エンジンの回転数や発電機の制御によって、周波数と電圧を所定の範囲に保ちます。
停電を検出してから給電するまで
自動運転の設備では、停電検出、始動指令、エンジン始動、電圧・周波数の確立、電源切替という流れで給電します。起動までの時間や切替方式は設備ごとに異なります。発電機だけで無瞬断の電源を確保できるわけではなく、瞬断を許容しない機器にはUPSなどとの組合せを検討します。
発電を支える主な機器
- 蓄電池・充電器:エンジンの始動や制御に必要な電源を確保します。
- 燃料系統:タンク、配管、フィルターなどを通じて燃料を送ります。
- 潤滑系統:オイルを循環させ、摩耗や焼付きを抑えます。
- 冷却系統:エンジンの熱を外部へ逃がします。構成は機種によって異なります。
- 排気・換気設備:排気ガスと熱を適切に屋外へ排出します。
- 制御・保護装置:運転状態を監視し、異常に応じて警報や停止を行います。
防災用と保安用
消防用設備等や建築設備のための電源と、事業継続のために任意に確保する電源では、求められる条件が異なります。兼用する場合も、防災負荷に必要な電力を確保できる容量と制御が必要です。必要な運転時間は燃料の種類だけでは決まりません。
用途に応じた設置条件を確認する
非常電源が必要か、どの種類の電源を使えるかは、給電先の設備と適用される法令・基準によって確認します。「病院だから発電機が必須」「集合住宅ならポータブル発電機で代替できる」といった判断はできません。
確認する資料と設置条件
- 給電する消防用設備・建築設備・保安負荷の一覧
- 単線結線図、発電機の仕様書と認定・検査関係の書類
- 燃料の種類、タンク容量、貯蔵・取扱数量
- 機器の周囲の空間、換気、排気経路と点検スペース
- 設置場所に適用される火災予防条例などの基準
周囲との離隔距離を一律に1m・3mとすることはできません。設備の構造、設置場所、周囲の防火措置などを踏まえて確認します。認定された製品でも、現場での設置条件まで自動的に適合するわけではありません。
電気事業法上の手続きや保安管理は電気工作物の区分等に応じて確認します。詳しくは非常用発電機の届出で確認する事項をご覧ください。
無負荷運転・負荷試験と法定点検
無負荷運転と負荷運転
無負荷運転では、負荷を接続せずに始動や運転状態などを確認します。負荷運転では電気的な負荷をかけ、電圧・周波数、温度、圧力、漏れなどを確認します。無負荷で始動できたことだけで、負荷をかけたときの状態まで確認できるわけではありません。
実負荷を使う方法と模擬負荷試験機を使う方法では、確認できる範囲や施設への影響が異なります。試験の目的、接続箇所、負荷条件、給電先への影響を事前に整理します。
点検周期と報告周期を分けて管理する
消防用設備等の非常電源では、機器点検と総合点検などの所定の点検を行います。消防用設備等の点検結果を報告する周期と、実際に点検する周期は別です。
負荷運転等については、所定の予防的な保全策を毎年実施する場合など、点検周期を6年に1回とできる条件があります。すべての設備に毎年の模擬負荷試験が必要ということでも、6年間何も点検しなくてよいということでもありません。
電気設備の保安規程やメーカーの保守基準も照合し、対象設備と作業に必要な資格・体制を確認します。詳しくは負荷試験の対象と点検周期をご覧ください。
点検結果を診断・整備・修理につなげる
普段の記録が不具合調査に役立つ
運転時の電圧・周波数、油圧、水温、警報表示などを記録しておくと、以前との変化を確認できます。異音、漏れ、始動にかかる時間など、数値以外の変化も記録します。
始動不良には蓄電池や充電器、始動回路、燃料系統など複数の原因が考えられます。水温上昇の場合も、冷却水量だけでなく、漏れ、循環、放熱や換気の状態などを調べます。症状だけで部品交換を決めず、原因を確認します。
交換時期は機種と使用条件に合わせる
燃料、オイル、冷却水、フィルター、蓄電池の管理方法と交換時期は、機種の保守基準と状態を踏まえて決めます。一律の燃料交換年数や発電機の寿命を当てはめず、交換履歴と点検結果を残します。
試験後の整備・修理まで
当社では、非常用発電機の負荷試験・点検・診断に加え、確認した不具合の整備・修理に対応します。試験結果と設備の状態を説明し、必要な作業をご相談します。継続使用が難しい場合は更新についても検討します。
株式会社テックメンテサービス
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神奈川の停電に備えて発電機を
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